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帝人とアルム AI 技術と電子タグシステム活用で次世代サプライチェーンの実証実験開始

公開日時 2022/11/18 04:50
帝人は11月17日、DeNAの子会社であるアルムと共同し、AIによる脳血管内治療計画プログラムと連動した、RFIDを活用した次世代医療サプライチェーンの実証試験を開始したと発表した。実証実験では、アルムは、AI を用いた ICT 技術により、個人に最適な治療計画と治療デバイスを提案するプログラムを構築。帝人は独自の RFID技術を用いて治療デバイスの過剰や欠品を防止する在庫管理体制を整備し、システムの実効性を確認する。2024 年 12 月までに実証試験を完了し、25 年ごろまでに社会実装することを目指す。

脳梗塞や脳動脈瘤などに対する脳血管内治療では、ステントやコイルを留置するが、患者の血管サイズや瘤の形状によって使い分けが必要になる。一方で手術は緊急で行われるケースが多く、医療者がサイズや種類などの細かい情報を事前に指定してメーカーに発注することは困難な状況だ。現在は、メーカーが、全てのサイズや種類のデバイスを都度、病院へ貸し出すという対応がなされているという。このため、使用されなかったデバイスが滅菌切れとなって廃棄されるケースが多発しており、デバイスが高額であることもあり、廃棄コストは年間数億円に上ると言われている。

今回の実証実験では、プログラムで提案された治療計画をもとに、治療で用いる可能性のあるデバイスの情報を事前に関係者へ共有することで、最適なデバイスを、最適量で流通
させる次世代医療サプライチェーンを構築することを目指す。

一方で、帝人はRFIDシステムを活用することで、物流倉庫や病院内で正確な在庫管理を実現。流通在庫を絞りながらも、必要器具の欠品リスクや器具選別による時間コストやヒューマンエラーの削減を可能にすることを目指す。RFIDはID情報を埋め込んだICタグ(=RFタグ)と、電磁波を用いた近距離の無線通信によって非接触で情報をやりとりする技術のこと。今回実証実験で用いるのは、帝人が展開するRFIDシステム「Recoシリーズ」。RFID タグが密集する狭いスペースにおけるピッキング作業での正確なタグの読み取りが可能となる技術や、使用済みのデバイスに貼付された RFID タグを読み取って即時に在庫情報へ反映させることが可能としている。

実証試験には、脳神経外科東横浜病院、血管カテーテル機器を販売する医療機器卸のアルバース、医療機器メーカーのカネカ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、センチュリーメディカル、テルモが参画する。
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