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サンバイオ 再生細胞薬「SB623」23年1月末までの承認取得を断念 生産関連の審査対応で「時間要す」

公開日時 2022/10/21 04:52
サンバイオは10月20日、先駆け審査指定制度の枠組みの中で外傷性脳損傷に対する治療薬として承認審査を受けている「SB623」について、「当社としては、今期中(23年1月末)の承認取得は無いものと判断している」との見解を発表した。その理由として、「生産関連の審査に対する当社の従前からの対応がより具体化し、まだ時間を要すことが判ったため」とも説明した。当初期待した年内の承認取得を事実上断念した。同社は、「引き続き全社一丸となり全力で取り組み、 来期中、一日でも早く皆様に承認取得の報告ができることを目指したい」とコメントした。

「SB623」は、健康成人骨髄液由来の間葉系間質細胞を加工・培養して作製されたヒト(同種)骨髄由来加工間葉系幹細胞で、脳内の損傷した神経組織に移植すると、損傷した神経細胞が本来持つ再生能力を促し失われた機能を回復させる効果が期待されている。厚労省から「SB623」は先駆け審査指定制度の対象品目に指定され、3月7日には再生医療等製品製造販売承認申請を行った。優先審査における総審査期間の目標は6か月とされ、当初は9月前後にPMDAの判断が下されると期待していた。ただ、8月3日開催の薬食審再生医療等製品・生物由来技術部会の議題に「SB623」が含まれず、同社の森敬太社長は9月15日の記者会見で、「当局との話は非開示」と断りながらも、「私どもとして手応え、自信をもっている」と述べ、早期の製造販売承認取得を見据えた体制整備に努める方針を強調していた。

◎「来期中」の承認取得についての報告を目指したい

この日は、「国内SB623慢性期外傷性脳損傷プログラム製造販売承認取得の状況について(続報)」と題するリリースを発表した。承認取得を待つ患者、家族、株主・投資家に向けてメッセージを出すのは異例で、前回7月22日に次いで2回目となる。サンバイオとしては、「承認時期は当社で決められるものではない」と断りながらも、承認審査への対応に全力で取り組むとし、「来期中」(23年2月以降)の承認取得の報告を目指したいとの方針を明示した。
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