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厚労省 キムリアの再発又は難治性の濾胞性リンパ腫の効能追加を承認

公開日時 2022/08/29 04:50
厚生労働省は8月26日、ノバルティスファーマのCAR-T細胞製品・キムリア点滴静注(一般的名称:チサゲンレクルユーセル)に、再発又は難治性の濾胞性リンパ腫の効能を追加することを承認した。

追加効能は、「再発又は難治性の濾胞性リンパ腫。ただし、初発の患者では全身療法を2回以上、再発の患者では再発後に全身療法1回以上施行し、全身療法により奏功が得られなかった又は奏功が得られたが再発した場合であって、CD19抗原を標的としたキメラ抗原受容体発現T細胞輸注療法の治療歴がない患者に限る」となる。

濾胞性リンパ腫(FL)は一般的に悪性度の低い種類のがんで、緩徐に進行するが、再発を繰り返すことも知られている。早期に再発を経験する患者の5年生存率は約50%と予後が悪く、進行性で悪性度の高いびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)へ形質転換する場合もある。

FLでは現在、 複数の治療が利用可能だが、治療を重ねるたびに得られる有効性が急激に低下し、 奏効期間が短くなる傾向にある。一部の患者では、再発と新たな治療というサイクルを繰り返し、治療選択肢が尽きてしまう場合がある。

今回の承認は、二次治療またはそれ以降の全身療法(抗CD20抗体およびアルキル化剤を含む)に再発又は難治性の成人FL患者(以下、r/r FL患者)を対象に、キムリアの有効性と安全性を評価した単群、 非盲検、 国際共同第2相臨床試験(ELARA試験)のデータに基づく。

高リスク患者を含むr/r FL患者において、主要評価項目の完全奏効率は中間解析時(追跡調査期間中央値9.9カ月、n=52)に65%であり、事前に設定した有効性の基準である15%(2ライン以上の治療歴のあるr/r FL患者にidelalisibを投与した試験で得られた完全奏効率を基に設定)に対して統計的に有意であった。副次評価項目(全奏効率や奏功期間など)の成績から持続的な奏功も確認された。安全性は、キムリアの既承認適応で認められたものと同様の忍容可能な安全性プロファイルを示した。
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