「患者が生活習慣の改善に一生懸命取り組んでいる姿勢をみたら、こちらもちゃんとしないといけないという気持ちになる。これは間違いない」――。こう断言するのは、高血圧症治療用アプリの国内第３相試験の研究責任医師を務めた自治医科大学の苅尾七臣教授だ。同アプリにより、高血圧患者が日々取り組んだ生活習慣改善の行動などが時系列データとして蓄積され、かかりつけ医は診察前に一通り確認する。そして患者の“努力”を目の当たりにする。苅尾氏は、「患者と治療目標を共有し、『一緒に頑張ろう！』という形になると、医師と患者の信頼感や患者の安心感はより高まる。クリニカルイナーシャ（なあなあな医療）が徐々になくなる」と述べ、患者起点の医療ＤＸにより医療の質は向上すると展望した。（神尾裕）高血圧症治療用...