アステラス製薬 医師への情報提供にメタバース活用 「仮想空間上での研究会・講演会」パイロット実施へ
公開日時 2022/01/24 04:51
アステラス製薬は1月21日、メタバースを活用した先進的な情報提供手法の構築に着手する。「メタバース」を活用して、医療関係者との全く新しい双方向コミュニケーションの実現を目指す。22年1月より Phase1として「仮想空間上での研究会・講演会」のパイロットを実施する。Phase2は、まだ構想段階としながらも、バーチャルとリアルの融合などを想定して新たなオンライン・コミュニケーションの検討を進める方針だ。
◎オムニチャネル・コミュニケーションを実践 オンラインMRやチャットボットを活用
コロナ禍を経験し、医薬品の情報提供をめぐる環境は大きく変化している。同社も、デジタルも活用し、タイムリーかつ適切な情報提供を追求する目的で、オンラインMRやチャットボット、自社サイトをMRやMSLと組み合わせた「オムニチャネル・コミュニケーション」を実践している。とくに、MRについては、昨年6月に「アステラス オンラインMR」を発足させ、4領域6製品において、専門性の高い情報提供・収集活動を実施している。オンラインMRについては、今後、増強していく流れもある。また、20年からはチャットボットによる一部製品の情報提供サービスを、グローバルの複数の地域で行っている。
◎自社サイト 訪問者数31%増 Webシンポ閲覧回数は117%増
一方で自社サイトについては、「アステラス・メディカル・ネット」を通じてデジタルコンテンツの発信も行っているところ。同社のコンセプトは、「医師に伝えたい情報」ではなく「医師が求める情報」を、チャネルを駆使して届ける活動を行っている。同社によると、サイトへの訪問者数は31%増加、Webシンポジウムページの閲覧回数は117%増加(20年9月~2021年10月までのAdobe Analytics集計データを元に算出)している。
◎メタバース活用 参加者同士の偶発的な情報交換などコミュニケーションを高質化
新たな挑戦として、メタバースを活用した先進的な情報提供手法の構築 に着手する。コロナ禍で場所・時間の制限のないオンラインコミュニケーションへの移行が進む一方で、現環境下では「双方向性・対面でのコミュニケーションのメリット」を発揮しきれないなどの課題も見えてきた。このため、新たな顧客エンゲージメントの向上として、メタバースを活用し、新しい双方向コミュニケーションの実現を目指す方針。まずは、パイロットとして「仮想空間上での研究会・講演会」に着手する。参加者同士の偶発的な情報交換など、コミュニケーションの高質化を目指すもので、バーチャルとリアルの融合なども構想していく考え。