サワイグループホールディングスは12月3日、小林化工とその親会社のオリックスとの間で、小林化工の生産活動に係る資産及び関連部門の人員を譲り受けることで合意し、譲渡契約を締結したと発表した。サワイグループHDは同日設立した新設子会社「トラストファーマテック」に小林化工の設備と転籍人材を受け入れる方針。譲渡完了は2022年3月末を予定している。

今回の譲渡契約により、小林化工の本社、矢地事業所および清間事業所の土地建物および設備機器（いずれも福井県あわら市）をサワイグループ新設子会社に譲渡する。また、生産部門、品質保証部門、研究開発部門および関連する管理部門に所属する従業員は、原則としてサワイグループの新設子会社「トラストファーマテック」への転籍が可能となる。

小林化工は今回の資産譲渡について、「大幅な供給調整に陥っている現状の医薬品市場の課題を一刻も早く解消しなくてはならないという、ジェネリックメーカーに共通した課題を解決するために、当社の製造設備と人材を最大限に活かす、というものである」と説明。同社として慎重に検討した結果、「品質が担保された医薬品の早期安定供給と、従業員の雇用最大化という2つの軸を実現する上で最良と判断し、本件譲渡契約の合意に至った」としている。

◎小林化工　譲渡後「被害者への補償を最後まで行う」　必要不可欠な医薬品は他社へ承継

資産譲渡後の事業について小林化工は、「被害者の方々への補償を最後まで責任をもって全ういたします」としており、さらに、医療上必要不可欠な一部医薬品は、安定供給に支障を生じさせないよう他社への承継などを進めるとした。それ以外の医薬品については、全製品の自主回収および承認整理を行う予定。一方で、サワイグループに転籍しない従業員は、引き続き同社に在籍し、各種業務に従事する。なお、これらの従業員に対しては、早期退職プログラムや、再就職支援のプランを準備し、新たな活躍の場の確保に最大限努めるとした。

◎サワイグループＨＤ　「グループの1社としてコンプライアンス体制の強化、品質管理体制を徹底」

小林化工の施設と関連部門の人材を受け入れるサワイグループHDは、「グループの1社としてあらためてコンプライアンス体制の強化、並びに品質管理体制の徹底を図り、サワイグループの医薬品の生産開始に向けて丁寧に準備を進めたい」と強調。新設子会社を含めて自社生産能力の年間200億錠以上の早期確立に取り組むことに意欲を示している。