厚労省経済課 新バーコード表示対応 98%の製薬企業が21年3月末までに完了
公開日時 2021/09/14 04:50
厚労省医政局経済課は9月13日、「医療用医薬品における情報化進捗状況調査」(2020年9月末時点)の結果を公表した。調査は、製造販売業者が取り組む医療用医薬品への新バーコード表示の進捗状況などを把握する目的で実施したもの。新バーコード表示の対応完了見込の時期については、販売包装単位で 204社中200社、元梱包装単位で196社中193社が2021年3月末までに対応完了済みあるいは対応完了見込となっていた。
医療用医薬品へのバーコード表示は、医薬品の取り違え事故防止、市販後のトレーサビリティの確保、流通の効率化を推進する観点から同省が基準を通知し、企業側に取り組みを求めているもの。今回の調査は、日薬連の加盟団体を通じ、所属の製造販売業者に調査票を送付、2020年9月末時点の新バーコードの表示状況について回答を求めた。回収率は92.9%(有効回答は240社中223社)。
必須表示項目の表示割合は、すべての包装単位(調剤包装単位、販売包装単位、元梱包装単位)で100%だった。また、原則2021年4月以降に製造販売業者から出荷されるものから、内用薬、注射薬、外用薬の「販売包装単位への有効期限、製造番号又は製造記号」および「元梱包装単位への商品コード、有効期限、製造番号又は製造記号、数量」に対する表示割合についてみると、販売包装単位では約68~88%(前年度約42~73%)、元梱包装単位では約86~98%(前年度約 76~94%)だった。
一方で任意表示項目(調剤包装単位の有効期限、製造番号又は製造記号)の表示割合は、約 1~21%(前年度約1~21%)だった。
◎新バーコード表示 21年度以降は販売包装単位4社、元梱包装単位3社 いずれも理由あり
新バーコード表示の対応状況については、販売包装単位では2020年度上期完了が73社、20年度下期完了見込みが127社となる。2021年度中完了見込みが3社あった。この3社は、製造委託先や設備メーカーとの調整に遅れが出たことや製造中止予定だった製品を方針転換により製造継続したことで対応に遅れが生じているというもの。さらに2022年度中完了見込みは1社だった。この1社は、新型コロナ治療薬として海外で最終梱包したものを輸入販売しているが、安定供給・供給リードタイムを優先にしているため、現段階では非対応と回答している。
元梱包装単位では、2020年度上期完了が123社、20年度下期完了見込みが70社。2021年度中完了見込みは3社で、それ以降はなかった。