参天製薬は８月30日、ドライアイ点眼薬STN1008903（開発コード、一般名：ジクアホソルナトリウム）を日本で承認申請したと発表した。１回１滴、１日３回点眼で用いる。同社は2022年度の上市を計画している。

同じ成分で既承認のジクアス点眼液３％はドライアイ治療の選択肢として推奨されている。ただ、１回１滴、１日６回点眼と、点眼回数が多い。そこでジクアスを製剤改良し、効果と安全性はそのままに、点眼回数を低減させたものがSTN1008903となる。同社は、「臨床上のアンメットニーズを満たし、患者さんの点眼における負担軽減に貢献する」としている。

◎ジクアス特許切れ対策の側面も

同社の企業戦略上は、STN1008903にはジクアスの特許切れ対策の側面もある。同社によると、ジクアスの特許切れは23年頃だという。ジクアスの特許切れ・後発品参入の前にSTN1008903の承認を取得し、切り替えを進めたい意向とみられる。

有効成分のジクアホソルナトリウムはP2Y2受容体アゴニストで、結膜組織に作用し、水分およびムチンを含む涙液の産生を促進するとともに、角膜上皮の膜結合型ムチンの発現・産生促進作用により、量的・質的の両面から涙液異常を改善する。眼表面を正常な環境に近づけて臨床上有用な薬効を発現する。