慢性心不全薬エンレスト 処方増意向は9割超
第一選択薬として活用拡大には低血圧対策が必須に
公開日時 2021/09/01 00:00
心不全は生活習慣病などを原因として心臓機能障害が生じ、心ポンプ機能の働きが不十分となる結果、呼吸困難や倦怠感、浮腫が出現し、それに伴い運動耐容能が低下する臨床症候群。ステージCの慢性心不全は、急性心不全による入退院を繰り返すことによって重症化して身体機能が低下、時には突然死に至る。2020年8月に発売されたエンレスト錠(一般名:サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物)は、「アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)」に分類される、新たな作用機序を有する慢性心不全治療薬。ステージCのHFrEF(左室駆出率が40%未満に低下した心不全)の標準治療では、ACE阻害薬またはARB、β遮断薬、MRAの3つの薬物療法が推奨されているが、エンレストは同標準治療を受けている患者が対象...