東和薬品は4月21日、TISインテックグループの TIS（本社：東京都新宿区）とアライアンス契約を締結し、TISが提供するクラウド型地域医療情報連携サービス・ヘルスケアパスポートの協業販売を開始すると発表した。契約は3月31日付。2022年の販売開始を目指している。両社は、ヘルスケアパスポートの普及やサービスの最適化を進めることで、持続可能な地域医療連携の実現を後押したい考え。

東和薬品では、MR約800人を含む営業本部の社員が販売を担う予定。同社が保有する全国の病院、診療所、調剤薬局などの幅広い販売網を最大限活かすことで、多職種連携の要となる情報の共有化を進める。同社は、「地域医療連携のコーディネーターとしての役割を果たし、個人の健康情報プラットフォーム構築を推進したい」としている。

ヘルスケアパスポートは、地域の医療機関に散らばっている生活者の医療情報や健康情報を、スマートフォンや病院に設置されたKIOSK端末で同意取得することにより、医療従事者や生活者、その家族が安全に共有することができるというシステム。病院単位など小規模な医療圏での導入が可能であることや、利用規模に応じ、運用費用が低コストで済むなどの特徴がある。

東和薬品とTISは2018年、ITを中核としたヘルスケアサービスを提供する合弁会社・Tスクエアソリューションズを設立するなど関連が深い。TISでは、今回の契約について、「東和薬品の持つ医薬品業界の知見と幅広い取引先との接点を通じて、多くの医療・介護施設にヘルスケアパスポートを利用してもらうことで、より生活者に利便性のあるサービスに拡張できると考えている」とコメントしている。