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マイランEPD 自治体に「エピペン」無償提供 コロナワクチン接種後のアナフィラキシー対応で

公開日時 2021/02/26 04:50
ヴィアトリスグループのマイランEPDは2月25日、新型コロナウイルスワクチンの接種後にアナフィラキシーが発症した際の緊急補助治療に使用できるよう、アナフィラキシー補助治療薬・エピペン注射液0.3mg(一般名:アドレナリン)を全国の自治体に無償提供すると発表した。無償提供用にエピペン1万1000本を用意した。無償提供を希望する自治体は、3月上旬に開設予定のエピペンの無償提供専用ページから申込む必要がある。同社は3月中旬から順次発送する。自治体ごとに提供する本数上限を決めており、無償提供は「先着順ではない」としている。

国は、新型コロナ対策の重要な柱としてコロナワクチンの大規模接種を行う方針を示している。ただ、コロナワクチンの接種でもごくまれにアナフィラキシーが報告されている。

アナフィラキシーは、短時間のうちに複数の臓器や全身に現れ急激に進行するアレルギー反応で、呼吸障害や血圧低下などの病状により死に至ることもある。主な原因に食物や蜂毒などがある。エピペンはアナフィラキシーが現れた時に使用し、医師の治療を受けるまでの間、病状の進行を一時的に緩和し、ショックを防ぐためのアドレナリン自己注射薬。

■無償提供は社会貢献活動の一環

同社は本誌取材に、今回のエピペンの無償提供は同社の社会貢献活動の取組みの一環で、厚生労働省に相談していたことを明かした。両者の間で、同社が用意できる無償提供用の本数、全国1741自治体ごとに提供する本数、コロナワクチン接種対象人口1万人あたり1本を用意するとの方向を確認し、今回提供される総数1万1000本が決まった。

ヴィアトリスは、「エピペンの無償提供の活動を通じて、新型コロナウイルス感染症対応に尽力されている医療従事者および関係者の皆さまを応援する」とコメントしている。なお、各自治体に無償提供される以上のエピペン購入を希望する場合は、「別途、可能な限り応需できるよう、鋭意準備を進める」としている。

ヴィアトリスは2020年11月にマイラン社とファイザーのアップジョン事業部門の統合により誕生した製薬企業。日本のヴィアトリスグループはマイランEPD、マイラン製薬、ヴィアトリス製薬(旧ファイザー アップジョン事業部門)、ファイザーUPJ――の4社で構成し、20年11月16日から事業を開始している。
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