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20年4~6月の開業医市場 前同比6.9%減 5年で最大の下げ幅 コロナ受診抑制で

公開日時 2020/08/18 04:50
IQVIAは8月17日、2020年4~6月(20年・第2四半期)の国内医療用医薬品市場が薬価ベースで2兆5797億円、前年同期比2.5%減だったと発表した。このうち100床未満の開業医市場は6.9%減となり、四半期ベースの成長率では、この5年間で最大のマイナス幅となった。20年4月実施の薬価改定(薬剤費ベースで4.38%引下げ)に加え、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う受診抑制が開業医市場の売上に影響したとみられる。

新型コロナの感染拡大が始まった20年1~3月(20年・第1四半期)の開業医市場の伸び率は5.1%減だった。開業医市場は、四半期ベースでは2期連続で、大きく市場縮小したことになる。同社の調剤レセプトベースの別の分析によると、5月に小児科と耳鼻咽喉科の受診患者数がそれぞれ50%程度減少したことがわかっている。

20年4~6月の市場全体は2.5%減だった。2%を超える市場縮小は、直近では18年第3四半期(18年7~10月)の3.5%減に次ぐものになる。なお、18年第3四半期の市場縮小は、18年度薬価制度抜本改革の影響と降圧剤オルメテックの特許切れ影響が主因となる。

20年4~6月を市場別にみると、100床以上の病院市場は1兆1765億円(前年同期比1.7%減)、開業医市場は4762億円(同6.9%減)、主に調剤薬局で構成する「薬局その他」市場は9269億円(同1.3%減)――だった。3市場とも前年を下回るのは18年第3四半期以来となる。

■キイトルーダは11.7%減収、再算定影響大きく オプジーボと売上僅差に

売上上位10製品をみると、トップのがん免疫療法薬キイトルーダと9位の抗凝固薬イグザレルトの順位は前年同期と変わらなかったが、ほかの8製品の順位は変動した。

20年4~6月のキイトルーダは売上278億円(同11.7%減)だった。同剤の四半期ごとの売上推移は、19年4~6月は315億円(64.1%増)、7~9月は372億円(84.0%増)、10~12月は346億円(50.0%増)、20年1~3月は323億円(29.7%増)――。19年10月の増税改定で薬価が1.85%上がったが、20年2月に特例拡大再算定で薬価が17.5%下がり、20年4月改定では2月の薬価からさらに20.9%下がったことで、20年4~6月は2ケタ減収となった。なお、20年1~6月の売上は計601億円となる。

20年4~6月の2位はがん免疫療法薬オプジーボで、売上は270億円(9.6%増、前年同期4位)だった。同剤は薬価が18年4月から1.85%上がった。前述の通り競合薬キイトルーダは薬価が大きく引き下げられた。このため、20年1~3月はオプジーボはキイトルーダに90億円の差をつけられていたが、4~6月は8億円の僅差となった。

3位は抗がん剤アバスチンで売上255億円(15.1%減、2位)、4位は疼痛薬リリカで売上245億円(6.2%減、3位)、5位は抗潰瘍薬タケキャブで売上243億円(15.5%増、7位)、6位は抗がん剤タグリッソで売上241億円(16.3%増、8位)、7位は抗潰瘍薬ネキシウムで売上227億円(5.6%減、5位)、8位は抗凝固薬リクシアナで売上217億円(3.4%減、6位)、9位はイグザレルトで売上206億円(5.5%増、9位)、10位は降圧剤アジルバで売上205億円(9.5%増、10位圏外)――だった。

■免疫抑制剤、潰瘍薬、喘息・COPD薬で売上トップ製品入れ替え

上位10薬効のうち3薬効で、薬効内の売上トップ製品が入れ替わった。免疫抑制剤ではレミケードに代わってヒュミラがトップに立ち、制酸剤・鼓腸及び潰瘍治療薬ではネキシウムに代わってタケキャブがトップとなった。また、喘息及びCOPD治療薬では、19年12月に後発品が参入したシムビコートに代わって、レルベアが薬効内トップに立った。

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