酸化マグネシウムの適正使用を喚起 漫然投与に注意を 高マグネシウム血症のリスクに
公開日時 2020/08/06 04:50
酸化マグネシウム製剤を製造販売する17社は8月5日、高マグネシウム血症が発症しやすい患者への投与に当たっての留意点について、「適正使用のお願い」を発出し、医療現場に注意喚起した。酸化マグネシウム製剤を長期間服用している患者、腎障害を有する患者、高齢患者、便秘症の患者は、高マグネシウム血症が発症しやすいと考えられている。酸化マグネシウム製剤は、胃粘膜を刺激する過剰な胃酸を中和し、胃・十二指腸潰瘍や胃炎にともなう症状を改善して瀉下薬として効果を発揮する。
◎長期服用患者や腎障害患者、高齢患者、便秘症患者に留意を
「適正使用のお願い」では、長期間服用している患者、腎障害を有する患者、高齢患者、便秘症の患者には、定期的に血清マグネシウム値を測定するなどの注意を求めた。漫然とした処方を避け、便秘症の患者では腎機能が正常な場合や通常用量以下の投与であっても、重篤な転帰をたどる例が報告されていることに注意を求めた。高マグネシウム血症の症状があらわれた場合には服用を中止し、直ちに医療機関を受診するように指導を要請した。
長期間服用の患者、腎障害を有する患者、高齢患者、便秘症の患者の高マグネシウム血症については、2008年9月に重大な副作用に追記し、2015年 10月から「適正使用のお願い」によって適正な使用を求めているが、その後も高マグネシウム血症を発症し、死亡または死亡のおそれの重大な転帰が報告されている。