医薬品卸編④
大手卸決算から 新型コロナ後の医薬品流通を考察する
公開日時 2020/06/30 00:00
サプライチェーンロジスティクス研究会保高英児医薬品卸の2020年3月期決算が出揃った。流通透明化ガイドライン制定2年目にあたる今回の決算期は、昨年10月の消費増税に伴う薬価改定や、今年4月実施の診療報酬改定とその財源として当て込んだ薬価制度抜本改革の議論が活発化した。その最中、11月には地域医療機能推進機構(JCHO)の医療用医薬品の入札をめぐり、大手卸4社が独禁法違反の疑いで公取委の検査を受ける。年が明けて2月からは新型コロナウイルス感染症の感染拡大が全国に拡大し、卸のMSも通常の営業活動を自粛し、配送中心の業務に追われるなど、例年にない対応を迫られた。政府の緊急事態宣言は5月25日に全面解除されたが、その後も第2波、第3波への警戒感を医療機関は強めている。これに伴い4月薬価改定後の価格交...