北里研究所 新型コロナの治療薬早期発見へ 「COVID-19対策北里プロジェクト」始動
公開日時 2020/03/23 04:49
学校法人北里研究所は3月19日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬の早期発見を目指して、「COVID-19対策北里プロジェクト」を開始すると発表した。COVID-19患者の検体に含まれる病原因子(ウイルス)SARS-CoV-2を分離し、このウイルスに対する国内外既存承認薬の大規模スクリーニングを実施する。同研究所は、「早期に治療薬を見出し、COVID-19患者の救命を目指す」としている。
プロジェクトは同研究所の英知を結集し、全学的体制で実施する。プロジェクト代表者は北里生命科学研究所(大村智記念研究所:20年4月1日より改称予定)感染制御研究センターの花木秀明センター長が務める。北里大学医学部・北里大学病院のプロジェクト責任者を膠原病・感染内科学の山岡邦宏教授が、北里生命科学研究所(大村智記念研究所)のプロジェクト責任者をウイルス感染制御学Iの片山和彦教授が務める。
■プロジェクト促進のため寄付を受け付け
同研究所は、プロジェクトの実施には多額の研究資金を必要とするほか、「大規模スクリーニングの実施に際しては研究資金が多いほど治療薬その早期発見につながる」として、同プロジェクト促進のため、個人及び法人から寄付を募る。受付期間は3月19日~21年3月末。問い合わせは、同研究所総務部企画課まで(E-mail:
kifu@kitasato-u.ac.jp)。
北里研究所は、1890年に血清療法を確立し、人類の伝染病との闘いで新たな成果を挙げた学祖・北里柴三郎氏からノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智氏へと続く感染制御の伝統と、同研究所の「いのちを尊び、生命の真理を探究し、実学の精神をもって社会に貢献する」との理念に則って行動すべきと判断し、一刻も早く治療薬を見出すため、同プロジェクトを立ち上げた。