Meiji Seika 米カドモン社と提携 慢性GVHD治療薬「KD025」の開発・商業化で
公開日時 2020/01/08 04:50
Meiji Seikaファルマは1月7日、米バイオ医薬品会社のカドモン社が開発している慢性移植片対宿主病(慢性GVHD)治療薬「KD025」(開発コード)について、日本及びアジアでの開発及び商業化で提携すると発表した。カドモンは日本及びアジアで同剤を開発・商業化するため、2019年12月に日本に合同会社ロメックファルマを設立した。Meijiはこのほど、この合同会社に出資することを決め、出資に関する契約を締結した。
合同会社は、KD025の日本及びアジア12か国での独占的な開発・販売権を保有し、カドモンとMeijiの両社で共同運営する。Meijiの出資額や出資比率、合同会社の代表者は非開示。KD025の日本の開発スケジュールや開発スキームも、これから詰める。
KD025は新規のROCK2阻害薬。ROCK2は免疫細胞の分化と細胞の線維化に関与しているリン酸化酵素。米国では、FDAが18年10月にブレークスルーセラピー(画期的治療薬)に指定している。
Meijiは、白血病治療に用いられる抗がん剤ダウノマイシン静注用やテラルビシン注射用、イマチニブ錠「明治」をはじめ、抗菌薬など血液内科領域で必要とされる治療薬を長きにわたり開発・提供しており、血液内科領域でのプレゼンスは高い。今回、白血病を含む血液がんの治療として行われる造血幹細胞移植時に発症する慢性GVHDの治療薬「KD025」に関わることで、血液内科領域のアンメットメディカルニーズを充足させるとともに、「引き続き、血液がんで苦しむ患者さんに貢献できるよう、全力で取り組んでいく」としている。
慢性GVHDは、造血幹細胞移植時に輸注される造血幹細胞浮遊液中に含まれるドナー由来のリンパ球が患者の組織を非自己と認識して攻撃してしまう免疫反応で、一部の組織では線維化もみられる。