鳥居薬品 米BioCryst社とのライセンス契約締結 HAE発作抑制の適応取得目指す
公開日時 2019/11/06 03:50
鳥居薬品は11月5日、遺伝性血管性浮腫発作抑制薬としての適応取得を目指して開発中の血漿カリクレイン阻害剤「BCX7353」について、米国のBioCryst Pharmaceuticals, Inc.(BioCryst社)とライセンス契約を締結したと発表した。
鳥居薬品は同候補品について、国内における独占的販売権を有する。鳥居薬品は、契約一時金として約23億8000万円を支払い、今後の進捗に応じたマイルストーンとして最大で約21億6000万円を支払う。また上市後には売上高に応じたロイヤリティを支払う。
遺伝性血管性浮腫(HAE)は、補体第1成分阻害因子の欠損によりブラジキニンが過剰に産出されて発症する遺伝性疾患。同候補品は、ブラジキニン産生酵素を特異的に阻害することで、HAEの急性発作を予防することが期待される。
現在、BioCryst 社が国内で国内臨床第3相試験を実施している。厚労省から、希少疾病用医薬品及び先駆け審査指定制度対象品目の指定を受けており、BioCryst 社では、2020年の1~3月に製造販売承認の申請を行う予定。製造販売承認取得後は、鳥居薬品が同剤の販売を行う。
鳥居薬品によると、すでに米国やカナダ、欧州で臨床第3相試験を実施しており、プラセボに対してHAE発作回数の有意な減少が確認されているという。安全性に関しても、同社は「良好な忍容性が確認されている」としている。
鳥居薬品経営企画部は、今回の契約について、「HAEは皮膚科や内科など様々な診療科で診察されている疾患」として、同社が重点領域に掲げている皮膚疾患やアレルギー疾患のなかの「パイプラインの充実につなげていきたい」とコメントしている。