アステラス 制吐剤や降圧剤3製品、アジア地域の権利を第一三共に譲渡 96億円で
公開日時 2019/10/16 03:51
アステラス製薬と第一三共は10月15日、アステラスが子会社を通じてアジア6か国で販売している制吐剤ラモセトロン(一般名、製品名ナゼア)、降圧剤ニカルジピン(同ペルジピン)、降圧剤パルニジピン(同オルデカ)の3製品の▽製造販売承認▽商標▽関連契約――などについて、第一三共に譲渡することで合意したと発表した。この資産譲渡契約のクロージングは10~12月を予定している。アステラスは譲渡により96億円を受け取る。
ラモセトロンは韓国、タイ、フィリピン、インドネシアで、ニカルジピンは韓国、中国、台湾で、パルニジピンは韓国で、それぞれ販売している。第一三共は、制吐剤はアジアで開発中の疼痛薬ミロガバリンやがん治療薬とのシナジー効果が見込まれ、降圧剤2製品は降圧剤オルメサルタンなど循環器製品との併売による営業基盤の有効活用が期待できるとしている。対象3製品の売上は約50億円。
アステラスは対象3製品の日本国内の製造販売承認および国内外第三者への原薬・バルク供給、ロイヤリティビジネスについては、17年に締結したLTLファーマとの資産譲渡契約に基づき譲渡している。第一三共はアステラスから対象製品の製造販売承認を含む権利義務を製品ごとに譲受し、19年12月以降、製造元であるLTLから供給される対象製品を第一三共の子会社などを通じて販売する。
アステラスは、「急速に変化する事業環境に対応し、持続的な成長を実現するため、オペレーションの質の向上と効率化を図るとともに、最適なコスト構造の構築に継続的に取り組んでいる。本資産譲渡はその一環」としている。