ベルシステム24ホールディングス(HD)は、100%子会社のビーアイメディカルを11月1日付で吸収合併する。合併方式はベルシステム24を存続会社とし、ビーアイメディカルを消滅会社とする。すでに吸収合併に関する基本方針決定取締役会が8月28日に開催されており、9月中に合併決議取締役会、合併契約締結、合併契約承認臨時株主総会などの手続きを進める予定。なお、ビーアイメディカルが保有するエンブレース社の完全非公開型医療介護SNS「メディカルケアステーション(MCS)」に関する製薬企業向けソリューションの独占販売契約はそのまま引き継がれる。
ベルシステム24HDは今年3月に、連結子会社だったビーアイメディカルのCSO事業をIQVIAサービシーズジャパンに譲渡する契約を締結した。同時に、伊藤忠商事が持つビーアイメディカルの保有株式の45%をベルシステム24HDに譲渡し、この時点で完全子会社化されていた。
◎人材や事業拠点「効率的なグループ運営体制を構築」
ビーアイメディカルは、医薬品・医療機器の開発支援(CRO)と、医療・健康分野のコンタクトセンターの運営(CRM)などを主な事業内容に掲げている。これに対し、ベルシステム24は、CRMソリューションに関するアウトソーシングサービスや、テクノロジーサービス、コンサルティングサービス、人材派遣事業、有料職業紹介事業などを手掛けている。今回の吸収合併についてベルシステム24側は、「AI(人工知能)等の新技術を活用したCRM事業を連携させることで、人材や事業拠点といった経営資源の最適配置と効率的なグループ運営体制が構築できる」と強調。ビーアイメディカル側も、「ベルシステム24のインフラを使うことで、ビジネスの拡大につながる」としており、「前向きに考えている」とした。
◎MCSの製薬向けソリューションの独占販売は継続
なお、ビーアイメディカルは、エンブレース社が運営する完全非公開型医療介護SNS「メディカルケアステーション(MCS)」の製薬業界向けソリューション「MCS Pharma Care Cloud」の販売代理店として製薬企業向けに独占販売業務を行っている。この業務は吸収合併後も存続会社に引き継がれる。MCSを用いた医薬品の服薬支援や適正使用の推進、多職種連携の関係構築の深化を通じ、地域包括ケアシステムの実現に寄与する方針。国が主導する地域包括ケアシステムのIT化を強力に推進する姿勢に変わりはない。