メーカー公取協 自社医薬品に関連しない講演会「共催」要件緩和 制度関連テーマも可能に
公開日時 2019/05/27 03:52
医療用医薬品製造販売業公正取引協議会(メーカー公取協)は5月24日に行った通常総会で、自社医薬品に関連しない講演会等に関する運用上の考え方を見直したことを明らかにした。メーカーが医療機関や医療関係団体と共催する場合のテーマについて、「医学・薬学をテーマとする」ものに限られていたが、医療保険制度や診療報酬制度等といった医療に関連するテーマでも「規約で制限しない」と改めた。地域包括ケアシステムの進展などで、制度を含めた医療に関する幅広い情報提供は、地域医療の発展に寄与すると判断した。
一方、自社医薬品に関連しない講演会等の開催時に医療担当者等への茶菓・弁当の提供は禁止した。これまでは、参加者1人当たり3000円(消費税除く)を超えない範囲で提供できた。しかし、検討の結果「不当な景品類提供に該当するおそれがある」と判断した。
これら見直しは1月1日に実施した。ただし、自社医薬品に関連しない講演会等の開催時の医療担当者等に対する茶菓・弁当の提供は、既に予定されてる会合もあることから、12月31日までは禁止せず、認めることにした。
メーカー公取協は19年度、見直し内容の周知を重要事業とし、本部、支部の説明会、研修会を通じ理解を深める。
◎自社医薬品関連の講演会のあり方、見直しを検討 違反被疑事案相次ぎ
メーカー公取協は同日、自社医薬品に関連する講演会のあり方について見直しを検討することも明らかにした。18年度に違反に対する「注意」措置1件のほか、自主改善報告16件のうち13件が講演会、説明会、研修会に関連したケースだったことから、対応が必要と判断した。19年度中の基準や運用、指導方法の見直しも視野に議論する。医療担当者等に対する弁当を禁止する議論を進めることはないとした。
注意措置となった1件は、自社医薬品の説明会を午前8時から実施したが、弁当を午前11時30分に昼食として提供。説明会に参加していなかった者にも提供したというもの。自主改善報告でも、説明会に参加していない者への弁当の提供といったケースが目立つ。研修会後の講師慰労会で1人あたり2万円を超える飲食を提供した事案もあった。