Meiji Seika・18年度決算 国内売上1306億円、1.3%増 抗アレルギー薬ビラノア好調
公開日時 2019/05/14 03:50
明治ホールディングス(HD)は5月13日、2019年3月期(18年度)決算を発表した。傘下のMeiji Seikaファルマの国内事業は売上1306億円、前期比1.3%の増収だった。特に16年11月に発売した新規の抗アレルギー薬ビラノアが好調で、売上は74億円、前期比132%増となり、通期計画で立てた売上53億円を大きく上回った。同剤を中心に、Meiji Seikaとして18年4月に受けた12%強の薬価改定影響を吸収した。
同社は同日に開いた業界誌・紙向けの決算説明会で、ビラノアが好調だった要因について、有用性に加え、「いろいろな環境変化があった」と説明した。19年1月に競合品の新薬デザレックスに自主回収があり、ビラノアがその受け皿のひとつになったことを示した格好だ。同社によると、抗ヒスタミン薬市場の中でビラノアは数量シェアで8%程度を獲得、近年発売した抗アレルギー薬の新薬の中でトップシェアにあるという。
明治HDの医薬品セグメントの業績は、売上1986億円(前期比17.9%増)、営業利益は142億円(同29.2%増)と大幅な増収増益だった。ビラノアや統合失調症治療薬シクレストといった国内新薬の伸長に加え、旧化学及血清療法研究所(化血研)の医薬品製造販売業などを承継した新会社KMバイオロジクスが18年7月に明治HDの連結対象となったことが、医薬品セグメントの大幅増の理由となる。KMバイオロジクスの18年度売上は312億円、営業利益は34億円だった。
なお、医薬品セグメントのうち、国内医療用医薬品(受託製造を除くMeiji Seika単体)の先発品売上は562億円(同2.6%増)、後発品売上は469億円(0.4%増)――だった。
■19年度計画 医薬品セグメントは2ケタ成長へ
19年度計画のうち、医薬品セグメントは売上2205億円(同11.0%増)、営業利益185億円(同29.9%増)――を見込む。18年12月に後発品が参入した抗うつ薬リフレックスが減収要因となるが、Meiji Seikaが販売するKMバイオロジクスのインフルエンザHAワクチンが大きく業績に寄与するなどし、2ケタ成長を目指す。同ワクチンは売上143億円(同264%増)を計画している。
国内の先発品の売上計画は757億円(同34.6%増)、後発品の売上計画は502億円(同7.0%増)だが、この後発品の売上計画に19年10月の消費税率引き上げに伴う薬価改定影響は含まれていない。ビラノアの19年度計画は90億円(同20.0%増)。
【18年度の医薬品セグメントの業績(前年同期比) 19年度予想(前年同期比)】
売上高 1986億円(17.9%増) 2205億円(11.0%増)
営業利益 142億円(29.2%増) 185億円(29.9%増)
【18年度主要製品国内売上高(前年同期実績) 19年度予想、億円】
メイアクト 46(74) 57*
リフレックス 161(197) 123*
シクレスト 37(28) 77
ビラノア 74(32) 90
インフルエンザHAワクチン -(-) 143
ジェネリック計 469(467) 502
うちタゾピペ 52(47) 58
*19年度予想でGE含む