本誌調査・メディカル部門の人材 要件は「特になし」と複数要件設置の企業に二分
公開日時 2018/07/02 03:53
メディカル部門に所属する人材の要件は、特に要件を設けていない企業と、複数の要件を設けている企業に二分される―。ミクス編集部が製薬企業77社を対象に行ったアンケート調査の結果からわかった。「要件は特に設けていない」と回答した企業は、この質問に回答した企業41社のうち22社で、全選択肢中最多。回答は複数の選択肢を選ぶことが可能で、その他の企業は、薬剤師免許の保持や、大学病院などKOLの営業経験、英語力など複数の選択肢を同時に選んだ。
Monthlyミクス7月号では、臨床研究法施行に伴って各社にアンケート調査を行いました。
全選択肢のうち次いで多かったのは、14社が選択した「論文読解能力」だった。「学術などの経験者」や「薬剤師免許」の保持を選択した企業も、ともに13社に上った。
一方選択が少なかった項目は、3社が選択した「看護師免許」と、2社が選択した「メディカル職となるための社内試験合格者」だった。このうち「メディカル職となるための社内試験合格者」を上げたのは、第一三共とバイオベラティブ・ジャパン。いずれも薬剤師免許の保持や、論文読解能力などの複数の項目を同時に選択している。社内試験は、面接や筆記試験などが主な内容で、臨床研究に関する知識や倫理観などが問われるという。
「その他」を選択した企業も9社あった。このうち協和発酵キリン・大日本住友・中外製薬の3社は、MSLについては要件や認定制度を設けていると回答した。一方、その他6社の対応は様々だ。三和化学研究所は「医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団(PMRJ)のMAエキスパート認定者」と定義した。「開発治験の経験者」と回答した大鵬薬品と、「医療職経験者」と回答したノーベルファーマは、医師・薬剤師免許の保持や、学術などの経験者、論文読解力、当該疾患領域などでの研究実績などの項目も同時に選択した。ギリアド・サイエンシズもこれらの項目にチェックを入れたうえで、「理科系学部での高等教育」が必要だと回答した。ノボ・ノルディスクファーマも医療従事者の免許や英語力、論文読解力が必要だとしたうえで、「ライフサイエンス領域でのPhD保有者」との条件を設定している。
◎メディカル職「開発部門に属す」が最多も対応分かれる
では、こうしたメディカル職は企業内のどの組織に配置されているのか。77社の回答(非開示含む)からは、各社によって対応が分かれている実態がわかった。「社長直轄」の組織に配置されると回答したのは13社。一方、「開発部門に属す」「その他」と回答したのはともに15社だった。部署名は「メディカルアフェアーズ」と回答した企業が多かったが、「研究開発本部」や「育薬本部」などとする企業もあり、各社様々だ。「学術情報部」に配置していると回答した日本ジェネリックは、唯一「営業本部に属す」と回答している。同社は、「一番連携する機会が多いため」としている。「存在しない」と回答した企業も11社あった。