武田薬品 6.5兆円規模でシャイアー社に買収提案も拒否 協議継続へ
公開日時 2018/04/20 03:53
武田薬品がアイルランド・シャイアー社に買収を打診し、拒否されたことが4月19日、明らかになった。同社は、1株当たり46.50ポンドで全株を取得することを提案した。買収が実現すれば、時価総額約430億ポンド(約6兆5000億円)で、過去最大規模になる見通し。同社は今後も買収に向けた協議を進める意向を示している。
株式は、現金17.75ポンド(支払いは米ドル建て)と新たな武田薬品の株28.75ポンドから構成される。
シャイアー社が19日に発表した内容によると、株主総会では今回の提案を4月14日に拒否することを決めた。最初の提案は、44ポンド(武田株28ポンドと現金16ポンドから構成)。45.50ポンド、46.40ポンドと値が上がり、すでに3回の買収提案がなされたことを明らかにしている。シャイアー社の株主総会は、「企業価値を過小評価している」としている。
◎アラガン社 シャイアー買収検討を発表
アイルランド・アラガン社も19日、シャイアー社の買収を検討していることを発表した。「検討の初期段階にある」とし、現段階では何の提案もしてないとしている。5月17日までに検討結果を発表する方針。
シャイアー社は希少疾患に強みをもつ企業。2013年以降に繰り広げた戦略的買収が成功。16年に買収したバスクアルタ社との統合でパイプラインに加わった血友病などが好調で、最近になって大きく売上高を伸長している。16日にがん事業をフランス・セルヴィエ社に24億ドル売却することを発表している。