ハーボニー錠「ジェノタイプ2でリバビリンフリー治療を可能に」朝比奈教授
公開日時 2018/03/29 03:50
東京医科歯科大学消化器内科の朝比奈靖浩教授は3月27日、ギリアド・サイエンシズが主催したメディアセミナーで講演した。 ハーボニー配合錠(一般名:レジパスビル/ソホスブビル配合錠)が適応拡大されたジェノタイプ2型の日本人患者を対象にしたデータを紹介し、「代償性肝硬変の有無にかかわらず、高い有効性のリバビリンフリー治療を提供できるようになった」と意義を強調した。
同社のハーボニー配合錠は、ジェノタイプ1型の C 型慢性肝炎又は C 型代償性肝硬変におけるウイルス血症改善の適応に加え、2018年2月に、ジェノタイプ2型への適応拡大の承認を取得している。インターフェロンやソバルディ(ソホスブビル)を投与する際は、リバビリンの併用が必須だった。ただ、催奇形性が報告されているため妊婦などへの投与が禁忌とされている。
セミナーでは朝比奈教授が、ジェノタイプ2型のC型肝炎ウイルス感染患者に対し、ハーボニー配合錠で12週間の治療を行った3つの臨床研究の統合分析の結果について報告した。研究は日本人131人を含むニュージーランドや台湾の患者200人を対象に、繊維化のステージや、治療歴などによる有意差の有無を解析した。12週間投与してウイルスが陰性化した割合は、繊維化のステージ別では、日本人57人が該当した軽度な患者が97%だったのに対し、19人が該当した肝硬変の患者では95%だった。治療歴や、繊維化のステージなどで影響がみられないことを紹介した。
朝比奈教授は「ハーボニー配合錠は2つの薬が合剤になったシングルタブレットだ。朝1回服用することで治療でき、シンプルでメリットが多い」と評価した。