CSLベーリング 「ケイセントラ」を新発売 ワーファリンによる抗凝固状態を是正、国内初
公開日時 2017/09/19 03:51
CSLベーリングは9月15日、ワーファリンに代表されるビタミンK拮抗薬(以下、ワーファリン)療法時の出血傾向を抑制する国内初の薬剤のケイセントラ静注用500、同1000(一般名:静注用人プロトロンビン複合体製剤)を19日に新発売すると発表した。
ワーファリン服用患者の急性重篤出血時や緊急を要する手術・処置を行う際、これまではワーファリンの休薬やビタミンKの投与といった対応がとられていた。しかし、血液の凝固能が正常化するまでに半日以上を要していた。このため、日本脳卒中学会が早期開発の要望を厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」に提出し、開発の必要性が認められ、同省の開発要請を受けてCSLベーリングが開発した。欧米ではすでに標準治療となっている。
ケイセントラは、4つの血液凝固因子(血液凝固第II、第VII、第IX、第X因子)が高濃度に含まれるとともに、ビタミンK依存性の凝固阻害因子であるプロテインCとプロテインSが含まれる。これにより、ワーファリンの服用によって減少した血液凝固因子を速やかに補充し、抗凝固状態を是正する。薬価は500国際単位1瓶(溶解液付) 3万5004円、1000国際単位1瓶(溶解液付) 6万5225円。
同社は、「本剤を救急科や脳神経外科などの医療現場で標準治療薬として備えていただくことで、ビタミンK拮抗薬を服用中の患者さんの出血リスクの管理に寄与し、患者さんの生活に安心感を付与することが期待される」としている。