国立感染研 麻しんで緊急情報 流行地域渡航前のワクチン接種呼びかけ
公開日時 2016/08/26 03:50
国立感染症研究所感染症疫学センターは8月25日、全国各地で麻しん(はしか)の患者報告が相次ぎ、特にインドネシア、モンゴルなどのアジア諸国に渡航歴のある患者の届出報告が目立つとして、▽渡航先が麻しん流行地域か否か▽流行地域渡航前には必ず麻しん含有ワクチンの接種歴の有無--を確認し、未接種者は接種後に渡航するよう求める「緊急情報」を発表した。
緊急情報では、麻しんは1人の患者が平均12~18人に感染させると指摘し、コンサート会場など広い場所であっても、「免疫がなければ同じ空間にいるだけで感染し発症する危険性が高くなる」と注意を呼びかけている。
医療機関に対しても、特に、内科、小児科、皮膚科、救急など麻しん患者が最初に受診する可能性のある診療科では「必ず麻しんを鑑別に入れて、早期診断ならびに感染拡大予防策を講じる」よう対応を求めた。また。早期診断につながるとして問診項目の中に「麻しん含有ワクチンの接種歴、最近の渡航歴、最近の国内旅行歴、最近国際空港や人が多く集まる場所に行ったことがないか」を含めるよう促している。
国立感染研のまとめによると、16年1月~7月6日までに麻しんは10例報告され、うち推定感染地域は国外が6例(インドネシア3例、モンゴル2例、カタール1例)だった。