MSD 申請中の抗アレルギー薬デスロラタジン 杏林の独占販売に 契約内容を変更
公開日時 2016/05/26 03:50
MSDとキョーリン製薬ホールディングス(HD)は5月25日、MSDが承認申請中の抗アレルギー薬デスロラタジン(一般名)について、承認取得・薬価収載後にキョーリン子会社の杏林製薬が独占販売すると発表した。これまではMSDと杏林による共同販売の契約だったが、契約内容を変更した。同剤は日本で15年10月に承認申請され、16年度中の承認取得が見込まれている。
杏林はデスロラタジンの独占販売権を取得したことで、重点領域のひとつである呼吸器・耳鼻科領域の製品ラインナップの拡充と、さらなるプレゼンス向上を図る。
MSDは発表資料の中で、引き続き呼吸器・アレルギー領域の新薬開発を進めるとともに既存製品の最大化を図るとしたが、「ビジネス上の重点領域である糖尿病を中心としたプライマリーケア、がん、ワクチン、病院急性期医療に経営資源を集中する」とも記載した。今回のデスロラタジンの契約内容変更が、これら重点領域への営業リソースの集中に伴う決定かどうかについて、MSD広報部は本誌取材に明言を避け、「杏林製薬との協議の結果、経営戦略が互いに合致し、条件面を含めて合意したため」とのみ説明した。
デスロラタジンは第2世代ヒスタミンH1受容体拮抗薬。鎮静作用が弱いといった安全性に特徴がある。日本では15年10月15日に「アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒」の適応症で承認申請した。世界では欧米など120か国以上で承認されている。