科研・15年度業績 売上1000億円突破 外用爪白癬薬クレナフィン好調で
公開日時 2016/05/13 03:50
科研製薬は5月12日、2016年3月期(15年度)決算を発表し、自社創製の外用爪白癬治療薬クレナフィンが売上198億円、前期比189.7%増と好調だったことで、連結売上が初めて1000億円を突破した。連結業績は売上1097億円(前期比16.9%増)、営業利益351億円(70.4%増)、純利益211億円(74.4%増)――で、全項目で過去最高を記録した。
クレナフィンは14年9月に新発売した国内初の塗るタイプの爪白癬治療薬。爪白癬はこれまで経口剤で治療していた。同社の想定以上のスピードで市場浸透した背景には、利便性のほか、“爪白癬(水虫)は塗って治すもの”との潜在的な意識やニーズに応えたことも要因とみられる。同社は16年度に売上238億円(前期比19.8%増)を計画している。
16年度の連結業績は、売上1000億円台をキープするものの、減収減益を見込む。5%台半ばの薬価改定影響が主因。使用促進政策の追い風がある後発品事業も、薬価改定影響に加え、「(新製品は)数量は伸びるが、薬価の兼ね合いで不透明な要素がある」として、同事業は5%近くの減収になるとしている。
開発品関係では、同社は16年中に、歯周組織再生薬KCB-1D(開発コード、一般名:トラフェルミン(遺伝子組換え))の承認が得られることを期待している。15年10月に申請した。同剤は承認されれば、歯周組織の再生を効能とする国内初の医薬品となる。
【15年度連結業績 (前年同期比)16年度予想(前年同期比)】
売上高 1097億3000万円 (16.9%増) 1061億円(3.3%減)
営業利益 351億4600万円 (70.4%増) 289億円(17.8%減)
純利益 211億4300万円 (74.4%増) 208億円(1.6%減)
【15年度の国内主要製品売上高(前年同期実績)16年度予想、億円】
アルツ 307.60(302.59)293
クレナフィン 198.68(68.57)238
セプラフィルム 112.62(107.91)115
リピディル 45.26(43.73)43
フィブラストスプレー 36.17(35.11)37
ジェネリック合計 132.92(123.80)127