君の人生は、君の好き勝手に生きていいのだ
公開日時 2016/02/29 00:00
情熱的読書人間榎戸誠高倉健を称える詩「それが高倉健という男ではないのか」という、丸山健二の長い詩がある。その一節はこうだ。「三年前にはやれなかったことが、今は簡単にやってのけられる。そんな男は少ない。流れに身を任せることを知っていて、ときには流されもするが、しかしそれでも頭は常に上流へ向けられ、両手はのべつ水をかき、両足はしょっちゅう水を蹴っている。つまり、エネルギーの配分を冷静に計算しながら、少しでも前進しようと狙っている。彼は決して溺れない。それが高倉健ではないのか」。高倉健の仕事観・人生観が的確に捉えられている詩だが、同時に、丸山自身の生き方もくっきりと刻み付けられている。衝撃的な人生論『人生なんてくそくらえ』(丸山健二著、朝日新聞出版)は、この書に若い時に出会っていたなら、私は全く異...