人体の主役は脳ではなく、細胞だという驚くべき主張
公開日時 2015/12/28 00:00
情熱的読書人間榎戸誠主役は脳か細胞かMRが日々接するドクター、薬剤師など医療担当者にとって、最大の関心事は人体である。その人体の主役は脳ではなく、細胞だと主張するのが、『人体ミクロの大冒険――60兆の細胞が紡ぐ人生』(NHKスペシャル取材班著、KADOKAWA)だ。本書の主張を支えているのは、バイオイメージングという最先端の技術と、エピジェネティクスという細胞における仕組み――の2本柱である。「現在、体内の細胞レベルの活動が、最先端技術によって捉えられるようになっている。生きたままの細胞などの活動を撮影する技術はバイオイメージング技術と呼ばれるが、そうした技術によって細胞の『実像』が浮かび上がってきているのだ。それはまるでひとつの自律した生命体のように、自ら周りを探り、状況を判断し、自らを変...