小児薬の調製ミス 換算間違いで10倍量も 日本医療機能評機構が注意喚起
公開日時 2015/09/17 03:51
日本医療機能評価機構は9月15日、小児薬の投与量の計算を誤って調製し、そのまま投与するなどの医療ミスが2012年1月~15年7月末までに5件報告されたことを踏まえ、医療安全情報No.106で医療従事者に注意を呼びかけた。中には抗生物質を10倍量を投与したケースもあった。
紹介したケースによると、零歳児に対し「バンコマイシン40mg+生食5mL 5mL/h 1日3回」の指示があり、本来であれば、バンコマイシン0.5gを生食5mLで溶解し、そのうち0.4mLが40mgになるはずだった。しかし、看護師は「1g=100mg」(正しくは1g=1000mg)と思い込み暗算し、0.4mLのところを4mLで調製し、投与。翌日に血中濃度が上昇したことで、調製ミスに気付いたというもの。
同機構が紹介したミスは以下のとおり(カッコ内は指示量→誤調製量)。
点滴静注用バンコマイシン0.5「MEEK」(40mg/回→400mg/回) 背景:1g=100mgと思い込んだ
点滴静注用 バンコマイシン0.5「MEEK」(70mg/回→700mg/回)
背景:100mg/mLの濃度に溶解後、0.7mLという液量に違和感があり、7mLだと思い込んだ
プログラフ注射液2㎎(0.18mg/日→1.8mg/日)
背景:・計算式の誤り。処方に正しい希釈方法が記載されていたが照合しなかった
アミカマイシン注射液100mg(4.5mg/回→18mg/回)
背景:計算間違い
フルダラ静注用50m(15mg/日→30mg/日)
背景:計算間違い