BML 家族性高コレステロール血症関与のPCSK9蛋白の血中測定法開発 薬剤効果予測に応用も
公開日時 2014/10/23 03:50
臨床検査などを手掛けるビー・エム・エル(BML)はこのほど、家族性高コレステロール血症(FH)の原因となるPCSK9蛋白の血中濃度を測定する検査法を、国立循環器病研究センター研究所との共同研究により開発したと発表した。サンドイッチELISA法により測定するもので、製薬各社で開発が進められているPCSK9分子抗体薬などの高脂血症治療薬の薬効機序や効果の予測に利用されるものと考えられるとしている。
PCSK9は、血中から細胞内へLDLコレステロールを取り込む働きをもつLDL受容体と結合し分解を促すことで血中LDLコレステロール値を上昇させることが知られている。そのため、同蛋白は新しい治療薬のターゲット分子として注目されている。
これまで、LDL受容体分解活性を有する「成熟型PCSK9」と細胞内の酵素により切断され、活性の低い「切断型PCSK9」として存在することがわかっていたが、両者を分けて測定することができなかった。発表によると、今回開発された測定法では別々に定量的に測定することが可能になる。それにより両蛋白と高脂血症との関わりを明らかにすることもできるようになるという。開発した測定法は特許出願中。
この成果は、国立循環器病研究センター病態代謝部の斯波真理子部長、堀美香研究員らとの共同研究によるもので、専門誌「The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism」オンライン版に10月15日付で発表された。BMLは10月20日にプレスリリースした。