肺高血圧症 専門医の診察まで平均3年半 患者会調査
公開日時 2014/10/08 03:50
肺高血圧症の患者会である非営利活動法人「PAHの会」(村上紀子理事長)の会員調査によると、専門医の診察を受けるまでに平均3年6カ月かかっていた。最長で18年6カ月を要したケースもあった。希少疾病である肺動脈性肺高血圧症や慢性血栓塞栓性肺高血圧症を含む肺高血圧症は、発症後に短期間で進行し、死亡することもある。同会では「肺高血圧症の専門医は数が少なく、各県にまんべんなくいないのが現状」と指摘、「患者負担を減らすために、症例実績による専門医配置などの施策が重要」だとしている。
この調査は、この5月に成立した新難病法について、国への要望をまとめる目的で同会が7月18日~8月17日に実施したもの。会員160人を対象に郵送で実施し、93人から回答を得た(回答率58%)。専門医の診断を受けるまでに受診した医療機関数について、「1~2カ所」とする回答が60%を占めたが、「3~5カ所」も23%いた。
患者の87%は専門医を受診し、77%が治療に満足している。一般医に受診している患者の69%が治療に満足しているが、専門医がいることを知っていても88%が「通える距離ではない」と回答。通える距離としては過半数が「1時間以内」を挙げた。