【World Topics】大規模な病院システム・ハッキング
公開日時 2014/09/08 03:50
急性期医療機関を中心に全米29州で病院を経営(提携含む)している”Community Health Systems”社のシステムがハッキングされ、患者の氏名、住所、ソーシャルセキュリティ番号等の個人情報が流出するという事件があった。不幸中の幸いは患者の医療情報は盗まれておらず、またクレジットカード情報も無事であったこと。
http://www.chs.net/
ハッキングの影響を受ける可能性があるのは、同社が経営する200以上の医療機関(入院病床総計31,100床)にかかわる、およそ450万人の患者である。HIPPA法にもとづき関係者には同社から詳しい状況が周知される。
ハックされたのは同社の管理システム内で使われてきた中国製のコンピュータで、事件を調査したカリフォルニア州ミルピタス市の“Fire Eye”社によれば、ハッキンググループは高度な技術力で業界内に知られている中国のグループだといい、同グループは、これまでにも医療機器や周辺ソフトウェア技術等に関する価値の高い情報をハックすることで知られてきたという。
http://www.fireeye.com/
”Community Health Systems”社は、8月18日に被ハッキングの事実関係を公開したが、実際にハッキングがおこったのは7月で、すでに将来の攻撃への防御策が講じられたとあわせて発表した。(医療ジャーナリスト 西村由美子)