MSDが年内にも睡眠薬市場に参入 初のオレキシン受容体拮抗薬で
公開日時 2014/08/12 03:51
MSDはこの秋にも不眠症治療薬ベルソムラ(一般名:スボレキサント)で睡眠薬市場に初参入する。同薬は脳の覚醒状態に関係するオレキシン受容体を阻害するファーストインクラス薬。8月1日の薬食審第一部会で承認が了承されており、今後、9~10月の承認および年内の発売が見込まれる。編集部では、ベルソムラと既存薬の▽ルネスタ▽ロゼレム▽マイスリーとの規格や剤型などの一覧表をまとめた。(文末の関連ファイルからダウンロードいただけます。8月18日まで無料公開)
現在の睡眠薬市場を見ると、2000年発売の非ベンゾジアゼピン系睡眠薬マイスリー(ゾルピデム酒石酸塩)がシェアトップとなっている。ただ、12年に後発医薬品(GE)が登場したのを受けて13年度売上は前年比13%減の282億円だった。一方、2010年以降に発売された▽ベンゾジアゼピン系薬ルネスタ(エスゾピクロン)▽メラトニン受容体作動薬ロゼレム(ラメルテオン)の2剤が伸長してきている。
既存薬がいずれも睡眠にかかわるGABA受容体やメラトニン受容体に作用するのに対し、新薬のベルソムラは覚醒状態の維持に関係するオレキシンを標的とした不眠症治療薬。臨床第3相試験では投与中止例に反跳性不眠や退薬症候が示されておらず、安全性や忍容性についても良好な結果が得られている。ベルソムラはMSDの親会社にあたる米メルクが開発し、国際共同治験を実施しており、日本に先駆けて米国で承認申請を行っているが、順当にいけば日本が世界初承認となる見通しだ。
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