日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン2009からJikei Heart Studyの関連箇所を削除
公開日時 2013/08/07 03:50
日本高血圧学会は8月6日、「高血圧学会ガイドライン2009」からJikei Heart Studyに関する記載部分を削除することを学会ホームページ上で明らかにした。東京慈恵会医科大学で実施されたARBディオバンを用いた医師主導研究Jikei Heart Studyについて主任研究者が論文撤回を申し出る方針であることを受け、同学会理事会はガイドライン2009の同試験に該当する箇所の削除を決めた。
削除する箇所は、引用文献における同試験の記載に加え、本文中(39ページ)にある「これらの機序があわさって、単なる降圧以上に、直接臓器障害ひいては疾患発症を抑制する可能性がある」の一文。
ただ、同学会はホームページ上で、「ガイドラインの推奨内容は一つの論文で決定されるものではなく、本論文の結果によって推奨内容は特別な影響を受けていませんことを改めて申し添えます」とも説明している。
Jikei Heart Studyをめぐっては、東京慈恵会医科大学の同試験調査委員会が7月30日に発表した中間報告でデータ改ざんや製薬企業の不適切な関与を指摘し、主任研究者の望月正武氏(東京慈恵会医科大学客員教授)による「論文の撤回を申し出ることといたしました」との文章も公表された。