アメリカの自殺
公開日時 2013/07/30 05:00
1998年に急増して以来高止まりの日本の自殺率は、G8諸国中ロシアに次ぐ2位で、毎年3万人強、人口10万人に25人が自殺している。こうした日本に比べるとアメリカの自殺率は低いが(G8諸国中5位、人口比は日本の半分)。だが、アメリカでも、自殺者の数は殺人事件の犠牲者よりも多く、特に1999年以降の10年間で、中高年の自殺が30%も増加し、社会問題となっている。
中高年の自殺者急増を憂慮したCDCは、調査レポート携え、公共放送を通じて、中高年者に「引きこもらず社交生活を持とう!精神的不調を感じたら医師の診察や専門家のアドバイスを求めて!」と訴えた。
http://www.youtube.com/watch?v=Q1q474ipOSg
アメリカに特徴的なのは自殺の手段。自殺者の半数以上が銃を使っている。しばしば銃の乱射事件が報道されるアメリカだが、実は、銃器での死亡事故は、事件性のある出来事よりも自殺の方が多いのである。
年間自殺率は全米平均で人口10万人あたり12.4人で、第二次大戦後ほぼ横ばいだが、内訳は変化しており、上述したとおり中高年礼装で増加している。また自殺率は州によって大きく隔たりがあり、もっとも多いワイオミング州では人口10万人あたり23.2人であるのに対し、もっとも低いニューヨーク州では8人である。中高年の自殺率の急増とともに問題となっているのが兵士の自殺率の急増である。2004年には10万兵士あたり10人であったものが、2009年には23人になった。自殺(に成功するもの)は圧倒的に男性に多く、女性の3.7倍であるが、自殺未遂は女性が男性の3倍である。