【World Topics】医療改革法の施行に遅れ
公開日時 2013/07/08 05:00
2013年も下半期に入った7月2日、オバマ大統領府が、2014年1月1日から全面試行の予定であった医療改革法の一部施行を延期すると発表した。(医療ジャーナリスト・西村由美子)
http://www.whitehouse.gov/blog/2013/07/02/we-re-listening-businesses-about-health-care-law
実施延期は、従業員50人以上規模の企業に適用される新しい規制:すなわち、これら企業は、従業員に医療改革法に定められた一定の基準を満たした医療保険を給付しなければならず、給付しない場合はペナルティを支払わなければならないとする部分である。企業は自社の医療保険について行政にレポートを提出し、行政はそのレポートに基づいてペナルティを徴収する仕組みとなる。
大統領府の発表は「企業の実施準備のための時間的猶予を拡大する」というだけで、詳細は語っていないが、複雑な改革法の基準を満たすレポートの仕組みをすべての企業が導入し終えるためには時間が足りないというのが専門家の見解で、一年の英気では完了できないかもしれないとの意見も聞かれる。
しかし、中小零細事業主(およびその従業員)や団体での保険加入のできない個人が医療保険を購入できるようにするために、各州に儲けられるオンライン保健購入サイト”Exchange”は本年10月までにアップされ、2014年1月1日から発効する医療保険を販売する。また保険料への公的支援も同時にスタートする。メディケイドの給付拡大も予定通り施行される。そして、2014年以降は、国居住者は医療保険を購入しない場合にはペナルティを支払わなければならないことになる。