薬剤経済学の基本的考え方(3)
公開日時 2012/10/30 00:00
クレコンリサーチアンドコンサルティング株式会社医療アセスメント研究部小林慎モデルを使った薬剤経済分析では、統計学的検定ではなく感度分析により分析結果の検証を行います。アナリストが自由にモデルを構築できる薬剤経済分析では、感度分析は非常に重要です。今回は、感度分析について紹介します。1.薬剤経済学における分析結果の検証方法前回は、薬剤経済分析の例として、英国におけるKarnonら1)によるクロピドグレルの費用対効果分析を紹介しました。この分析では、心筋梗塞や脳卒中などの2次予防におけるクロピドグレルの長期的な費用対効果をマルコフモデルにより推計し、クロピドグレルは費用、質調整生存年(QALY)ともにアスピリンよりも大きく、費用対効果の評価指標である増分費用対効果比(ICER)は21,489ポン...