ひざの痛み 病気を疑う人少なく 受診意向は3割未満 1000人意識調査
公開日時 2012/07/19 04:00
科研製薬と生化学工業はこのほど、一般の人を対象にひざの痛みに関する意識調査結果をまとめた。ひざの痛みの原因を「年齢的なもの」と考えている人が6割を超える一方、ひざに痛みがある人でも「ひざの病気」を疑う人が6%程度しかいないことがわかった。50歳以上の中高年のひざの痛みの多くは、ひざ関節の軟骨がすり減ることで炎症や痛みが生じる変形性ひざ関節症といわれている。今回の調査結果から、ひざの痛みの原因として病気の可能性があるということが、あまり認識されていない現状が浮き彫りになった。
調査は全国の40代~70代の男女1000人を対象に実施した。内訳はひざに痛みのある人800人と、痛みのない人200人。各年代、男女比は同数とした。調査実施日は4月27日~5月1日。
ひざの痛みの原因を聞いたところ、「年齢的なもの」との回答が、痛みのある人60.1%、ない人64.9%と最多で、これに「肥満」「運動不足」「姿勢が悪い」などが続いた。「ひざの病気」との回答は、痛みのある人で6.6%、ない人で19.5%と少なかった。痛みのある人に痛みを感じ始めた時期を聞いたところ、4人に1人が40代と回答した。最多は50代だった。
ひざが痛いときの対処法では、「病院に行く」が3割弱にとどまり、「サポーターをする」「市販薬や湿布を使う」「サプリメントを飲む」などもそれぞれ3割前後の回答率で、自己流の方法で対処する人が少なくない状況が見られた。そして「病院に行く」を選択しなかった人に「行かない理由」を聞いたところ、「病院に行くほどでもないと思ったから」が56.7%と半数を超え、「痛みがひどくなったら」「歩くのがつらくなったら」病院に行くと、重症化してから受診するとの考えが示された。
これらの結果から東邦大名誉教授の勝呂徹氏は、「早期に適切な診断・治療を受けることで、軽症のうちに病気の原因を取り除き、進行を遅らせることが期待できる」として、「普段からひざの状態に関心を持ち、痛みや違和感を感じたら早めに整形外科でひざのメディカルチェックを受けることが大切」とコメントした。なお、両社は7月10日に変形性ひざ関節症の疾患啓発サイト「ひざ科学研究所」(監修:勝呂徹氏、http://www.hizaken.com)を立ち上げた。