日本リリー ジプレキサで双極性障害の「躁」「うつ」両症状の適応取得 国内初
公開日時 2012/02/23 04:02
日本イーライリリーは2月22日、非定型抗精神病薬ジプレキサ(一般名:オランザピン)が同日付で、国内初の双極性障害におけるうつ症状の改善で承認を取得したと発表した。ジプレキサは2010年10月に双極性障害の躁症状の改善の適応を取得している。今回のうつ症状の適応の取得で、国内初の双極性障害の躁症状とうつ症状の両方を改善する適応を持つ薬剤となった。
双極性障害(躁うつ病)は「躁」と「うつ」の状態を繰り返す疾患。「躁」では社会的逸脱行為による人間関係や社会的信用の失墜など、長期にわたる社会的困難をもたらすことが多い。「うつ」では自殺企図率がうつ病よりも高いという報告がある。いずれの症状でも患者や家族、社会に大きな影響を及ぼす可能性がある。
双極性障害の治療上の課題には、うつ症状の治療中に躁症状が発現(躁転)したり、躁症状の治療中にうつ症状が発現(うつ転)する、逆の症状の発現が少なくない。これに対してジプレキサは「躁」「うつ」両症状に適応を持つ唯一の双極性障害治療薬となり、新たな治療選択肢となる。