MSD・アルバレズ社長 MR活動は患者の治療向上を視野に展開したい
公開日時 2011/12/07 04:02
MSDのトニー・アルバレズ社長は12月6日、東京都内で開いた事業説明会で、2020年までの定性的な長期成長戦略を披露し、その中で今後の情報提供活動の方向性にも触れた。MR活動で提供する情報について、「患者様の治療に役立つ、よりよい服薬コンプライアンスを続けるための情報を医療者に提供することも1例」と述べ、患者の治療向上を視野に活動する姿を提示した。
長期戦略では「最も信頼されるヘルスケア企業になること」を目指す。その中での成長戦略の1つとして、新製品の継続的な提供に加え、ビジネスのイノベーションも必要だとして「医療者にいかに効果的に情報を届けるのか」を課題に挙げた。その中では「今後もMRは、製品の学術、安全性などの情報提供で重要な役割を担うことになるが、MRを(ITなどの)テクノロジーで補完し、新しいコミュニケーション方法を模索する」と説明。
さらに、「患者様の治療に役立つ、よりよい服薬コンプライアンスを続けるための情報を医療者に提供することもビジネスのイノベーションにつながる。患者様の生活習慣を変えるとともに、適切に服薬いただく。そのための情報を医療者に届けることで、薬剤の服薬を助けるといったことが1例である」と述べ、処方増のみならず、適切に薬物治療が継続的に行われ、患者の治療向上を視野に入れて活動する方向を示した。
新製品は4半期ごとに1件申請
今後の新製品についてはデニス・アーブ副社長執行役員が説明し、今後数年間は「4半期ごとに約1件の承認申請」を行う方針を示した。現在、ロタウイルスワクチン、抗菌剤カスポファンギン、ペグイントロンとレベトールによる肝硬変の適応追加、抗アレルギー薬ナゾネックスの小児適応追加が申請中で、12年内の上市を目指す。12年申請予定の開発品は開示しなかったが、8成分がフェーズ3にある。このうち骨粗鬆症治療薬「MK-0822」(オダナカチブ)、睡眠導入薬「MK-4305」(オレキシン受容体拮抗薬)、C型肝炎治療薬「MK-7009」(HCVプロテアーゼ阻害剤)、第2世代HPVワクチン「V-503」(9価HPVワクチン)は、次期の成長ドライバーとして期待する。