キャリアコンサルタントの独り言 第10回 エンプロイヤビリティの獲得のために
公開日時 2011/10/06 04:00
株式会社インテリジェンス
DODAキャリアコンサルタント/メディカルグループ マネジャー
堀 学
前回のコラムで、エンプロイヤビリティ(雇用されうる能力)の獲得が、自分の納得するキャリア構築の実現に必要だという話をした。最終回である今回は、改めてエンプロイヤビリティについて、もう少し詳しく記載したい。
乱暴な言い方かもしれないが、30代前半までの転職は、そこまでエンプロイヤビリティを意識しなくてもなんとかなる(正確に言えば、なんとかなっている現状がある)。というのも、MRの求人数は上昇傾向にあり、転職市場も求職者側の売り手市場の状態だ。そしてこの流れ自体は、若干のアップダウンはあるものの、ここ数年は続く見込みである。
ただ、現状の活況を踏まえても、35歳以上の年齢となった時には、エンプロイヤビリティが必要になる。以前、「キャリアコンサルタントの独り言」にて、「35歳が転職の限界ではない」と話したとおり、その事実が変わったわけではないが、35歳以上を境に、エンプロイヤビリティの有無が明確に問われ始める。MRで言うところのエンプロイヤビリティを挙げるならば、大前提として「売り上げを上げている」ことが必要なのは言うまでもないが、例えば、疾患領域における専門性や大病院の経験、特定エリアの経験、マネジメントの経験など、経験年数や年齢だけでない「プラスアルファのキャリア」がそれにあたる。そしてそれは、年齢が高まるにつれ、より多くのプラスアルファが求め続けられる。
さて、貴方は既にエンプロイヤビリティを獲得しているだろうか。今エンプロイヤビリティがないとしても、将来的に自社の中で獲得できる可能性はあるだろうか。また、転職をエンプロイヤビリティの獲得という視点で考えたことはあるだろうか。これは何も35歳以上の方に対する質問ではない。若年層のMRの方にも同様の問いを発したい。
終身雇用制度は崩壊しつつあり、この先、与えられた仕事をこなすだけで、会社が面倒をみてくれることはないと言っても過言ではない。今後、MRとして何が求められるかを明確に理解した上で、能動的にそのキャリアを構築(獲得)していくことは、長いMR人生において絶対に必要なことだとお伝えして、筆をおきたいと思う。