12月度新規処方ランク インフル流行期でイナビルがトップ
公開日時 2011/01/20 04:02
ミクス編集部が毎月行っている医師の新規処方ランキングによると、2010年12月度は抗インフルエンザウイルス薬「イナビル吸入粉末剤20㎎」(一般名:ラニナミビルオクタン酸エステル水和物・第一三共)が第1位となった。昨年10月19日に発売されたイナビルは1回の投与でオセルタミビルの5日間投与と同等の効果を示すという。処方理由としては、薬理作用や有効性に加えて、コンプライアンスの良さが評価された。
そのほか、医師の新規処方ランキング第2位はGLP-1受容体作動薬ビクトーザ(ノボ ノルディスクファーマ)、第3位にはDPP-4阻害薬ジャヌビアと直接レニン阻害薬ラジレス(ノバルティスファーマ)、第一三共の配合剤レザルタス(高親和性ARBオルメサルタン/持続性Ca拮抗薬アゼルニジピンの配合剤)がそれぞれ入った。
◎病院の新規採用はイナビルとラピアクタ
12月度の病院の新規採用ランキングは、インフルエンザの流行期に入ったことから、第一三共の抗インフルエンザウイルス薬「イナビル吸入粉末剤20㎎」、同じく塩野義製薬の抗インフルエンザウイルス薬「ラピアクタ点滴用バック300mg」「同点滴用バイアル150mg」がそれぞれ1位、2位にランクされた。イナビルは11月度に続き2か月連続トップとなる。また2位にはファイザー/エーザイの帯状疱疹後神経痛治療剤「リリカカプセル」が入った。
第3位には大正富山医薬品の躁病・躁状態治療薬リーマス、第4位には大鵬薬品から昨年9月24日に発売された抗悪性腫瘍剤アブラキサンや大塚製薬/UCBジャパンの抗てんかん剤イーケプラなどがそれぞれランクされた。
◎自由回答 医師=GE、合剤へのコメント多数 薬剤師=納入価格への不満
医師の自由回答をみると、「新薬が採用されにくい」など、関連意見が多数、ジェネリックへの切り替え、合剤の採用に関するものがみられた。一方、薬剤師からの自由回答をみると、新薬創出加算に絡んで納入価格が上がっているとのコメントや、全取引先の納入価格を公表して欲しいなどの意見が見られた。
本調査はMonthlyミクスが毎年行っている新薬採用アンケートに回答いただいた病院薬剤部から50病院(官公立、自治体、準公的、民間など)に定点観測をお願いし、毎月ごとの新薬採用・採用停止品目について集計した。医師の新規処方ランキングについては調査会社エム・シー・アイの協力により、内科系医師100人についてインターネットより回答を得た。調査データの詳細および臨床医・薬剤部のコメントはミクスOnline(プレミア限定コンテンツ)に掲載しております。
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