塩野義 クレストールの米国特許侵害訴訟で勝訴 16年7月まで物質特許有効
公開日時 2010/07/01 04:01
塩野義製薬は6月30日、高コレステロール血症治療薬「クレストール」(一般名:ロスバスタチンカルシウム)の後発品を申請した企業を相手に米国で提起していた特許侵害訴訟で、勝訴したと発表した。米国デラウエア州の連邦地裁は現地時間29日、同剤の米国での物質特許は2016年7月まで有効で、被告のテバ社やマイラン社ら7社に対して「特許侵害と認められる」との判決を下した。
この訴訟は2007年12月に、同剤導出先のアストラゼネカと共同で、クレストールの後発品を申請した8つの企業を相手に提起したもの。デラウエア州で7社(アルビンド社、コバルト社、マイラン社、パー社、サンド社、サン社、テバ社)、フロリダ州で1社(アポテックスUSA社)と係争していた。今回の判決はデラウエア州の7社に対するものだが、同州のファーナン判事は、フロリダ州で係争中のアポテックスUSA社に関して、「(今回の)裁判所の判断に拘束される」とのコメントも示した。
クレストールは塩野義の創製品だが、全世界の開発はアストラゼネカが行った。米国ではアストラゼネカが販売し、塩野義はロイヤルティ収入を得ている。同剤の物質特許(再発行特許第37314号)の権利者は塩野義。日本では両社がコ・マーケティングしている。