ツムラ4-9月 医療用漢方が好調で2桁営業増益
公開日時 2009/11/12 04:00
ツムラが11月11日に発表した10年3月期第2四半期(4-9月)決算は、医療用漢方の売上が8.6%の伸びをみせ好調だったことなどにより、増収増益となった。通期もこの基調で進め増収増益を見込む。
医療用漢方の中でも、「育薬処方」と位置づける抑肝散(よくかんさん)、六君子湯(りっくんしとう)、大建中湯(だいけんちゅうとう)は新しい効果のアピールが奏効し、3処方合計売上高は23.5%増。抑肝散は認知症の周辺症状(神経症、不眠症など)、六君子湯は胃腸障害を伴う上腹部不定愁訴、大建中湯はイレウスや過敏性腸症候群に伴う腹部膨満感への効果についてデータ集積とともに、現場への情報提供を進めているという。
加えて、扱う129処方中113処方が前年同期の売上高を上回ったことで、バスクリンなど家庭用品を手がけるツムラライフサイエンス(TLS)の切り離しによる減収要因をカバーして、増収を確保した。
同社は今後、育薬処方に2品目追加し、事業を強化する方針。追加するのは牛車腎気丸(ごしゃじんきがん、オキサリプラチンが引き起こす有害事象=しびれ)、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう、塩酸イリノテカンが引き起こす有害事象=下痢)。
訂正(11月19日午後5時57分)
半夏瀉心湯が対象とする疾患を「オキサリプラチンが引き起こす有害事象=下痢」とありましたが、正しくは「塩酸イリノテンカンが引き起こす有害事象=下痢」です。
〔連結業績(前年同期比)通期予想(前年同期比)〕
売上高 445億2200万円(0.2%増)926億円(2.9%増)
営業利益 89億6100万円(17.2%増)200億円(21.3%増)
経常利益 88億5100万円(13.6%増)200億円(20.3%増)
純利益 51億1100万円(1.6%増)116億円(7.6%増)
〔売上高(前期実績)、通期予想は非開示、百万円〕
大建中湯 3625(3262)
補中益気湯 3051(2907)
六君子湯 2133(1721)
柴苓湯 1771(1794)
加味逍遙散 1761(1657)
牛車腎気丸 1702(1606)
芍薬甘草湯 1559(1430)
抑肝散 1448(852)
麦門冬湯 1379(1319)
防風通聖散 1183(990)