アステラス 便秘型IBS治療薬リナクロチドを導入
公開日時 2009/11/11 04:00
アステラス製薬は11月10日、米国アイアンウッド社が米国で開発中の便秘型過敏性腸症候群(IBS)・慢性便秘治療薬「リナクロチド」(一般名)について、日本、インドネシア、韓国、フィリピン、台湾、タイでの独占的な開発・販売権を取得する契約を締結したと発表した。消化器領域の製品ラインナップの強化につなげる。日本での開発スケジュールは、「今後実施する予定」とのみコメントしている。
アステラスは今回の契約に伴い、契約一時金3000万ドルと、開発の進捗に応じて総額7500万ドルをアイアンウッドに支払う。上市した場合には、売上げに応じたロイヤリティも支払う。また、アステラスは導入した国・地域での開発、承認取得、販売に関するすべての費用を負担する。
同剤は現在、アイアンウッドが米国でフェーズ3試験を実施している。同剤は1日1回投与の経口C型グアニル酸シクラーゼ(GC-C)受容体作動薬。腸粘膜上皮細胞上のGC-C受容体と結合して細胞内の環状グアノシン一リン酸(cGMP)産生を亢進させ、腸内腔の水分分泌と腸内移送を亢進して便秘を改善する。また、細胞外に分泌したcGMPによって腹痛を軽減させる特長も持つという。
アステラスは現在、日本での消化器領域の治療薬として、H2ブロッカー「ガスター」、男性下痢型IBS治療薬「イリボー」、IBS治療薬「コロネル」などを持つ。