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脳卒中治療GL2009 TIAへの早期介入の意義明確に

公開日時 2009/11/09 04:02

日本脳卒中学会など8学会がまとめた「脳卒中治療ガイドライン(GL)2009」の概要が明らかになった。2004年以来、5年ぶりとなる今改訂では、一過性脳虚血発作(TIA)の項目を新設。脳梗塞の発症リスクの高さを注意喚起し、より早期からの介入を求めるものとなった。GLは、11月中にも正式発行される。


今改訂では、07年3月までに公表されたエビデンスの中から新たに2104件の論文を吟味。エビデンスレベルから治療の推奨グレードを5段階で明記した。


今回の最も大きなポイントとなったTIAについては、英国のコホート研究「EXPRESS」試験などから早期介入の意義が明確になったと判断。TIAを疑う症例に対し、「可及的速やかに発症機序を確定し、脳梗塞発症予防のための治療を直ちに開始しなくてはならない」とし、最も推奨レベルが高いグレード「A(行うよう強く勧められる)」とした。治療薬としては、非心原性脳梗塞では、アスピリン、クロピドグレルの2剤をグレード「A」とした。一方、シロスタゾール、チクロピジンはグレード「B(行うよう勧められる)」とした。


脳梗塞急性期では、すでに治療の柱となっている“t-PA療法”の位置づけを明記したのもポイントだ。2004年版発行時には、t-PAは保険適応となっていなかったことから、グレードAに位置付けたものの、「有効性が期待される」と記載されるにとどまっていた。


しかし、09年版では、この間にt-PAが保険適応となり、エビデンスも集積したことから、日本人に適した用量を“0.9mg/kg”と明記。「発症から3時間以内に治療に可能な虚血性脳血管障害で慎重に適応判断された患者に強く推奨される」(グレードA)とした。


一方、脳梗塞慢性期の薬物療法としては、非心原性脳梗塞について新たにクロピドグレルの位置づけを明記。アスピリンと効果を直接比較した「CAPRIE」試験の結果などから、アスピリンとともにグレードAに位置付けた。心原性脳梗塞については、これまで通りワルファリンの投与を推奨している。


※脳卒中治療GL2009は、今週発行する「ミクス Congress Express」と12月1日発行の「Monthlyミクス12月号」で詳報します。

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