関節リウマチ(RA)治療として、新規生物学的製剤の使用率が欧州の中でも、国による開きがあることが分かった。欧州製薬団体連合会(EFPIA)が10月12日、まとめた報告書の中で明らかにした。
それによると、RA患者に対する新規生物学的製剤の使用率はノルウェーでは30%に達するのに対し、ブルガリアでは1%未満だった。
この背景には、欧州各国の中でも、保険償還など規制環境による薬剤の標準価格の格差があるとの見方が強い。
同報告書をまとめた、フランスのEuropean Health EconomicsのGisela Kobelt博士(スウェーデン・ルンド大学整形外科)は、格差の原因には様々な要素があると指摘。その上で、「実際の薬剤コストは疾患にかかる総医療費の半分以下ですむ。しかし、各国の保健当局は、薬価を高値と判断し、(薬物治療を)公衆衛生上の戦略の1つに位置付けていないことが原因」としている。