クレハ、田辺三菱、第一三共 クレメジンの国内の販売スキームを変更
公開日時 2009/10/06 04:01
クレハ、田辺三菱製薬、第一三共は10月5日、クレハが創製・製造している慢性腎不全用剤「クレメジン」の日本国内の販売スキームを11月1日から変更すると発表した。現在はクレハが製造して第一三共が販売しているが、11月以降は、クレハが製造した同剤を田辺三菱が仕入れて第一三共に供給し、第一三共がこれまで通り販売する。クレメジンの08年度の国内売上高は128億円(前年度比2.9%増)。
田辺三菱の前身、三菱ウェルファーマは2006年11月にクレメジンの米欧での独占的開発・販売権を取得し、海外展開の際の主力品目のひとつに位置付けた。しかし、「世界2位の日本市場に全くタッチしていないというのもどうなのか」(関係者)ということから、今回の国内販売スキームの変更に至ったようだ。なお、田辺三菱は現在、同剤のフェーズ3試験を米欧で実施しており、米国では12~13年に販売する計画だ。
同剤の国内販売スキームの変更は、クレハと田辺三菱との間で、5日付で、田辺三菱が11月から国内の販売権を取得することで契約を締結。これに伴って田辺三菱と第一三共との間で、販売にかかる再許諾のための契約を5日付で締結した。
同剤は高純度の多孔性球状活性炭からなる経口吸着炭。尿毒症症状の改善や透析導入の遅延をもたらす効果があり、保存期慢性腎不全に対して積極的に治療を行うための世界初の医療用医薬品として、国内では91年から販売されている。